微妙なドコモの定額データプラン

定額データプラン

去年から噂になっていたNTT DoCoMoの「データ定額プラン」が万を期して発表となった。FOMAのデータ通信を10500円で使い放題にしてしまう魅力的なプランだが、色々と制限がかかっていて使い勝手がかなり悪そうだ。HSDPAの高速なデータ通信と、人工カバー率90%を誇るエリアで利用できる点は魅力的だが、利用目的によっては、全く無意味なプランになってしまう。

待ちに待ったデータ定額

2種類のプラン「定額データプランHIGH-SPEED」「定額データプラン64K」の総称を「定額データプラン」と呼び、それぞれ料金設定や通信速度が異なる。また、両プラン共に割引サービスは一切適用されず、無料通信文の共有も不可能。というか、音声料金プランとの同時契約がそもそもできないので、データ通信と音声通話を一台の端末で行うことが出来ない。この点は注意してもらいたい。

「定額データプランHIGH-SPEED」はHSDPAエリアでは受信速度、最大3.6Mbps。送信速度384Kbpsで通信でき、それ以外のエリアでは、受信最大384Kbps、送信最大384Kbpsで通信できるサービス。auのダブル定額のような料金設定になっていて、50万パケットまでは月4200円で利用でき、それを超過した場合は使った分だけ加算される。合計金額が10500円に達した場合は、それ以上は加算されず、実質4200円〜10500円の間で利用できる。ちなみに超過した1パケットの料金は0.0126円。

「定額データプラン64K」は受信送信共に速度は64Kbpsで通信でき、月額4200円で無制限に利用できる。既に新規受け付けを終了している、NTT DoCoMoのPHSを利用した定額データプラン「@FreeD(アットフリード)」を置き換えをねらったプランだ。

この二つの「定額データプラン」利用には、現状では必ずプロバイダ「mopera
U」
の契約をしないといけない。「定額データプランHIGH-SPEED」なら、月額840円の「U定額HIGH-SPEEDプラン」。「定額データプラン64K」ならば、月額525円の「U定額64Kプラン」に加入必須。つまり「定額データプランHIGH-SPEED」を利用したい場合、「U定額HIGH-SPEEDプラン」も同時に申し込まないといけない。「定額データプラン64K」も同様で「U定額64Kプラン」に同時加入しないと、まったく利用できないのだ。ややこしいったらありゃしない・・・。

余談だが、法人向けのプロバイダのプランに、月額630円の「ビジネスmoperaインターネット(HIGH-SPEED)」がある。

A2502 HIGH-SPEED

韓AnyDATA製のUSB接続型データ端末

イー・モバイルとの違い

受信速度、最大3.6Mbpsで通信できる「定額データプランHIGH-SPEED」は値段だけ考えれば、イー・モバイルの二倍近い月額料金を支払わないといけない。ただ、エリアの事を考えるとHIGH-SPEEDのエリアは狭いが、それ以外でもFOMAエリアを利用した384Kbpsのデータ通信ができ、全体の人口カバー率は99%。対してイー・モバイルは、都心と全国の主要都市部のごく一部と、NTT
DoCoMoが圧倒的にエリアは広い。

この点を考えると、HIGH-SPEEDは利用できなくても、広範囲に動く人ならばNTT DoCoMo。エリア内のみで利用を限定するのならばイー・モバイルを選択するというのが望ましい。

また、Mac OS XはNTT DoCoMoはサポート外。イー・モバイルはサポートしている。Macで利用するのならば、イー・モバイルしか選択肢がないのが、少し悲しいところ。ただ「定額データプラン」は、Macのサポートはしないものの、使おうと思えば使えるらしい。「専用のアプリケーションから、定額が対応するアクセスポイントに接続したときのみ、定額で利用可能」とNTT
DoCoMoは発表しているため、機器からはアクセスできても、定額にはなりそうもない。どうしたら強引に対応アクセスポイントに接続できるのだろう?

やはり利用制限をかけてきた!!

ここからが話の本番。この「定額データプラン」は大きな落とし穴がある。それは、接続先のコンテンツによっては正常に表示できないように、接続アプリケーションか、アクセスポイント側でフィルタリングしているのだ。

どの点にアクセス制限がかけられているかというと、たとえば「ストリーミング」「FTP、SSH接続」「Telnet」。つまりインフラに負荷がかからないように、継続して通信するコンテンツや、大容量のダウンロード、アップロードが発生する動作はできないようになっている。Flashムービーを利用しているYouTubeなどの動画配信サービスは利用できるみたいだが・・・。

てか、これって検問じゃん!?

現状と今後

コンテンツ制限がかかる点は、はっきり言って残念だ。FTPが使えないので個人的には興味なく、都内からほとんど出ないので、100%イー・モバイルを契約したほうがいい。地方に行ったら、公衆無線LANを意地でも探し出して利用やる!!

これは個人的な予想だが、YouTubeなどのコンテンツも、もしかしたらサービス開始までに利用できなくなるようになるかもしれない。発表内容から推測するに、現在はコンテンツ内容をフィルタリングして制限をかけているようだが、これにURLのフィルタリングを加えることによって、YouTubeなどをシャットアウトすることができる。結果、通常のFlashは問題なく閲覧でき、動画配信サイトのFlashムービーは除外でき、一石二鳥というわけ。NTT
DoCoMoが一番おそれるのは「定額データプラン」によっての通信インフラの増加だろう。大容量の通信を行う動画配信サイトの排除は、きっと行われるはずだ。

この「定額データプラン」は、今後二つのシナリオが考えられるだろう。サービスインしてからも、利用制限を追加していき、インフラの負荷を低減させていくというシナリオと、サービスインしてからは、インフラの増強と共に制限を解除していくシナリオだ。前者は客からのクレームが発生する可能性が高いため、後者の舵を取るに違いない。

思うに、データ通信の定額化は、契約数が劇的に減り始めたために、焦って見切り発車的に用意していたプランを解放したのではないかと思う。ただインフラの整備が追いついていないため、このような制限をかけて対応したのだろう。イー・モバイルやソフトバンクも、定額化により充分なインフラの確保が難しいと聞く。だが、財があるNTT
DoCoMoならば、早急に補充してくれることだろう(願望)。せっかく登場した(させてしまった)データ通信の定額は、待ちに待ったプラン。ユーザーの反響も相当大きいはずで、うまい舵取りをすれば、ドコモ大帝国復興も不可能ではない。是非ともここは踏ん張って欲しいところだ。

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